（質問）
平成２５年度税制改正で相続税増税が行われるとのことですが、相続税増税の具体的な内容について教えてください。

（回答）
平成２５年度税制改正で相続税増税が行われる予定です。
公表された平成２５年度税制改正大綱によれは、相続税増税の内容は以下の通りです。
（１）　基礎控除の圧縮
（２）　最高税率のアップ

（１）　基礎控除の圧縮について
他界した人の財産が一定の金額以下の場合、相続税はかかりません。
この一定の金額を基礎控除といいます。

現在（相続税増税前）の相続税は、基礎控除は以下のように計算されます。
　基礎控除　＝　５０００万円　＋　１０００万円　×　法定相続人の数
たとえば、父が他界し、母、子供２人がいる場合では、法定相続人は母、子供２人ですので、合計３人となります。
したがって、基礎控除は８０００万円（＝５０００万円＋１０００万円×３）となります。

相続税増税後では、この基礎控除が以下のように計算されます。
　基礎控除　＝　３０００万円　＋　６００万円　×　法定相続人の数
たとえば、父が他界し、母、子供２人がいる場合では、法定相続人は母、子供２人ですので、合計３人となります。
したがって、基礎控除は４８００万円（＝３０００万円＋６００万円×３）となります。

このケース（相続人３人）で考えると、相続税増税前は８０００万円までの財産であれば相続税がかからなかったのに対して、相続税増税後では４８００万円までの財産であれば相続税がかからない、ということになります。
つまり、相続税増税で基礎控除の金額が引き下げられたため、相続税の対象となる方が増える結果となります。

（２）　相続税の最高税率のアップ
現在（相続税増税前）の相続税は、最高税率は５０％です（基礎控除を控除した後の相続財産を法定相続分で分割した金額が３億円を超える部分）。
相続税増税後では、相続税の最高税率は５５％となります（基礎控除を控除した後の相続財産を法定相続分で分割した金額が６億円を超える部分）。


回答作成日　平成２５年１月２４日